一覧へ戻る

教育について思うこと

いじめ問題について思うこと

全国のいじめが減少、しかしネット上のいじめは過去最多。
文部科学省から令和2年度の全国のいじめの認知件数は約51万件であり、前年度より9万件以上減少した。
しかしネット上のいじめは2万件近くと過去最多になったとの発表があった。その理由は、コロナ禍により休校の期間があり、子ども達の物理的な距離が広がったことなどが考えられる。また、不登校児童及び生徒数は20万人近くになり、過去最多を記録しているとの発表も併せてあった。平成25年には「いじめ防止対策推進法」が施行され、全国の学校では様々な対策が進められてきたにもかかわらず、いじめの認知件数は増加し続けてきた。
府県によって届出数が10倍もの差があることから、実数はさらに多いことが容易に想像される。

それでは学校におけるいじめはどうすれば減少するのかと問われたとき、こうすれば少なくなるという特効薬的なものは残念ながら見当たらない。ただ、いじめはいつ何時でも起こり得る問題であり、教師は自校にもあるものとして常に考えておかなくてはならないということは、はっきりしている。起こらないことが一番良いのは言うまでもないが、起こった時に被害生徒の心に寄り添う対処をどれだけ早くできるかということが何よりも大切なことである。初動を間違えることが取り返しのつかない結果をもたらすことになってしまう。これまで法の整備や相談施設の増設などが行われているが、どれも効果的な結果をもたらしているとは言えず、このことが大人の目線でいくら取組をしても効果がないということを証明している。

普段から教師が子どもの目線で寄り添い、信頼関係を作っておくことが何よりも優先されるべき前提です。
先にも触れたが、すべての子どもが安心して生活できる学校づくりのための特効薬はなく、普段から教師が子どもの目線で寄り添い、信頼関係を作っておくことが何よりも優先されるべき前提である。
この先生なら真剣に話を聞いてくれる、解決してくれるかもしれないという信頼感があれば、子どもは困りを抱えた時に相談する可能性が高い。実際に私が勤務した学校でも、信頼されている教師には子どもからの様々なサインや相談があり、深刻な状況になるまでに解決に至ったケースが数多くある。人はできないことや嫌なことを外部に、特に親には出さず限界ぎりぎりまで内に抱えて我慢する傾向がある。
したがって、信頼できる教師が、心を開いて相談できる最後の砦になる可能性が高い。たとえ直ちに解決に至らなくても話ができたこと、真剣に話を聞いて共感してもらえたことが子どもの心の支えになり、解決に向けた次への一歩につながることは間違いない。

授業時間だけではなく、休み時間や放課後、部活動の時間などに汗を流してお互いを理解しあうことが何よりも大切です。
しかし子どもと信頼関係を作ることは、一朝一夕にできることではなく、毎日場所と時間を共有して学校生活を送るうえで共に汗を流し、一緒に笑い悲しみ、お互いの人間性を少しずつ理解し合い、時間をかけて築き上げていくしか有効な手立てはない。授業時間だけではなく、休み時間や放課後、部活動の時間などに汗を流してお互いを理解しあうことが何よりも大切なのである。子どもが学校にいる時間帯は、教師は子どもに徹底的に寄り添うことが何よりも必要なのである。
教師の側が子どもの目線に降りなければ、子どもが教師の目線まで上がってくることは絶対にない。
近年教師の働き方改革が取りざたされているが、少しでも早く解決への道筋をつけることが、教師にとっても無駄な時間をなくし、最も有効な働き方改革につながるものと考える。そして教師と子どもの信頼関係が構築されているという事が前提となってはじめて、日々の様々な取組の成果が効果的に表れる。
信頼関係のない教育は効果が薄く、子どもの心に響くことはない。この先生の話は真剣に聞きたいという思いが子どもにあれば、集中力も増し教育活動の効果は上がる。

現状では多くの学校で教師が子どもたちと過ごす時間を確保することが出来ていないのが問題です。

先にも触れたが、すべての子どもが安心して生活できる学校づくりのための特効薬はなく、普段から教師が子どもの目線で寄り添い、信頼関係を作っておくことが何よりも優先されるべき前提である。
この先生なら真剣に話を聞いてくれる、解決してくれるかもしれないという信頼感があれば、子どもは困りを抱えた時に相談する可能性が高い。実際に私が勤務した学校でも、信頼されている教師には子どもからの様々なサインや相談があり、深刻な状況になるまでに解決に至ったケースが数多くある。人はできないことや嫌なことを外部に、特に親には出さず限界ぎりぎりまで内に抱えて我慢する傾向がある。
したがって、信頼できる教師が、心を開いて相談できる最後の砦になる可能性が高い。たとえ直ちに解決に至らなくても話ができたこと、真剣に話を聞いて共感してもらえたことが子どもの心の支えになり、解決に向けた次への一歩につながることは間違いない。

常に気を配り子どもをきめ細かく見守り、子どもと心がつながっている教師が近くにいる必要がある。
心の機微を見抜ける存在が近くにいれば、救える子どもはたくさんいるということは、経験上はっきりしている。
また自分のことを理解し見守ってくれる大人、心から信頼できる大人が近くにいるということが分かれば、全ての子どもに安心感を与え、不必要に他者を攻撃することは確実に少なくなる。
教師の仕事は物を売ったり買ったりという数字で表れる仕事ではなく、一人の人間の将来に深く関わるという点で特別なものであるので、勤務時間を単純に削減することより、職務内容を見直して教師本来の仕事に専念出来る環境を整えることの方が大切だと考える。学校現場では、教師が報告書の作成などの事務仕事に手を取られ、描いていた理想像とのギャップに苦しんでいる教師も多い。
教育予算は膨らむが、小手先の変更ではなく、システム全体を見直したり、雑用を担う人材を多く採用したりするなどして、教師が子どもに全力で臨める環境を整えることが、将来の日本に必要なことではないだろうか。